岳飛伝 一 三霊の章
楊令伝の文庫版を読み終わり、次は岳飛伝ですね。
いきなり岳飛伝から読んでしまうと訳が分からないと思うので、
理想は北方シリーズを読んでからがいいですね。
僕の場合、三国志→水滸伝→替天行道→楊家将→水滸伝→吹毛剣→岳飛伝(今ここ)
こんな感じで完全に北方ワールドにはまってるわけです。
楊令伝では、
楊志の子供、楊令が暗殺されてしまいました。
片足がなくなったウジュ。片手がなくなった岳飛。
その後の展開を描いているので、楊令伝の続きといっていいでしょう。
恐らく『岳飛伝』なので、岳飛がメインになってきます。
岳飛との対決シーンで最も感動したのが、蕭珪材との戦いのシーンですね。
遼でも最強と言われる軍を率いている将軍で、遼の王室に伝わる武に誉れ高い将軍に与えられる護国の剣を持っている。
彼の家系は、意見を述べてはならない家系とされ、黙々と優秀な軍人として生き続けた。という自分好みのキャラである。
このシーンはとっておきですね。
一騎打ちのシーンとなり(もうここで感動)
護国の剣が折れ・・・。
ああああって感じでした。
こんなシーンがまた岳飛伝で見れるとおもうとわくわくで仕方ありません。
九門竜あたりと闘ってほしいですね。ありえないけど、燕青あたりとも面白そう。
岳飛伝1巻を読み終わった感想としては、
やはり面白いです。現代に置き換えられる話とか、考えさせる事柄が多いです。
例えば、こんなセリフがありました。
岳飛ととある兵士の会話。
兵士『大将さえいれば負けていても戦は続きます。』
岳飛『そんなものか』
兵士『だから梁山泊は凄いですよ。総大将の楊令が死んでも、まだ闘い続けています。禁軍が北へ引いたのは、やっぱり梁山泊軍が手ごわかったからでしょう』
この兵士は、たまたま診療所で岳飛と出会い、言いました。
ここで岳飛はこう感じる。
兵は、闘えと命じられて、ただ闘っているというわけではない、というのが岳飛に新鮮な驚きを与えた。名も知らない兵士とこんな話ができるのか。と
そして、
この兵士が岳飛のように負け続けている大将についていく理由を話す会話がこれ。
兵士『大将があまり細かいことは、考えない方がいい、と思います。大将は大将らしくいてもらいたいです。』
岳飛『大将らしくか』
兵士『うちの大将はよく負けるが、次は勝つというように、いつも堂々としている。そんな大将の方が俺はいいです。』
そう、まさにこの兵士の言葉がなんかぐっときました。
負け将軍だけど、堂々としている。
自分の人生を振り返ると、大変なことばかり、負けの連続の人生。な気がします。
何億人という人がいれば、何億人の人生があります。
きっと成功する人生を送っている人は、たくさんの失敗をしてきた。
そして、人よりも多い失敗を乗り越えて、失敗や負けを成功の糧として堂々としてる。
だからこそ今が有るんだと思いますね。
多の人が成功を語ろうとするけれど、人生なんて失敗の方が多い。
それに人の話って失敗話の方が面白い!
私もいつまでもへこたれていないで、堂々として生きていきたいものです。
こんな兵士とのちょこっとした巡り合わせも素敵ですね。
兵士に愛される岳飛。
岳飛の魅力とはなんでしょうね。
また、じっくりと考えてみたいと思います。
- 作者: 北方謙三
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