楊令伝 15 天穹の章
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/08/21
- メディア: 文庫
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楊令伝15巻を読み終わってしまった・・・。
ただただ悔しい。
北方謙三氏の作品は、三国志・水滸伝と読み続けて、今楊令伝・岳飛伝といった感じだ。
僕の中で、北方謙三が作る物語は特別なものだ。
108人の星が集まり、その続きを描く楊令伝。
そして、今回の15巻を読んだ感想。
この長きにわたって、時間を忘れて読み続けることができる物語であった。自分が楊令伝の中で生きるとしたら、どういう風に国を感じ、どんな生き方をして、どんな志を胸に抱いていたのかを想像してしまう。
この巻では、大好きな武将が次々に亡くなった。
なぜなんだ・・・。
凄く悔しい思いがこみ上げてくるのと同時に
嗚呼、これが人生。とも感じる。
人間として生を与えられた時から、理不尽な人生でも受け入れなければならないように、この物語を受け入れなければならないのだろう。
上手く表現できないけど、小説の中に武将達が息をしているのだ。
何か時代を越えて私の中で武将達が生きている。
本当に数多くの武将が死んだ。
小さい頃から一緒に生きてきた友人が死んでしまう感覚。
涙があふれ出した。
死にたいと望むものが生き、生きたいと望むものが死ぬ。
やりきって死ぬ人生もあれば、受け入れがたい死を受け入れて死ななければならないものもいる。
この本に対して賛否両論はあるだろう。
しかし、私は心の底から、北方氏が紡ぎだすストーリが大好きだ。
これだけ壮大な物語を描き切ることは、できるモノではない。
魂を揺さぶられた小説は初めてだ。
毎刊発売するのが楽しみでしかたなかったし、かみしめるように読んできた。
本巻でひとまず終わったが、これからの生き残った英雄の物語に期待している。
特に、岳飛、史進、呉用、秦容、燕青。次なる物語が待っているだろう。
ありがとう、楊令伝。